一条工務店の太陽光発電・蓄電池|わかりやすく解説

Step❶ 家をつくる

2019年秋に開始された 太陽光発電・蓄電池のセット販売のキャンペーン「電力革命」 。

当初は数か月で終了すると思われたキャンペーン。実際は2年たつ2021年8月現在、キャンペーンは継続されています。

破格の値段になっているので、一条工務店で建てる人は「導入の一択」だと思います。確かに200万円規模の初期投資が必要ですが、長期で見れば十分回収できます

この記事では、蓄電池と太陽光についてわかりやすく解説していきます。

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蓄電池のスペック

容量は7kWh(追加も可)

蓄電池の容量は 7kWh。現在市販されている家庭用の蓄電池としては、7kWhは平均的か少し大きめです。

季節によって増減ありますが、わかりやすく、平均的な家庭の1日あたりの電力資料量はざっくり約10 kWhと考えます。だから7 kWhは、1日の電力量にちょっと足りないぐらいの量ですね。

もっと蓄電池の容量を増やしたい!という人向けに追加オプションも用意されています。60万円で、1台追加できます。高額オプションなので、採用できる人は限られてきますね。

寿命は33年?

蓄電池が空の状態からフル充電を行い、空になるまでを「1サイクル」といいます。充放電を繰り返すと性能が劣化していくので、カタログにあるサイクル数が寿命になります。

一条工務店の蓄電池は12,000サイクル。1日1回充放電すると考えると、耐用年数は単純計算で33年になります。(12,000サイクル÷365サイクル/年≒33年

ただし充放電を長期間にわたって繰り返していくと、蓄電池から取り出せる電力の量も少しずつ減っていきます。仮に33年使えたとしても、新品と同程度の電力量を取り出して使えるということには必ずしもなりません。

リチウムイオンバッテリーの寿命は6,000~12,000サイクルと言われているので、一条工務店の蓄電池は高寿命であることは間違いないよ

メーカーは田淵電機

一条工務店の蓄電池は田淵電機製です。田淵電機は、大阪に本社を置く東証一部上場企業。2019年度の蓄電池製造メーカー別のシェアは6%で7番手。         

メーカーシェア(%)
シャープ17
ニチコン17
伊藤忠商事15
長州産業15
パナソニック14
オムロン9
田淵電機6
京セラ4
エリーパワー2
その他1
出典:RE:CHARGE(リチャージ) 2020年7月号

設置位置

蓄電池は外壁に設置された状態で搬入されます。設置高は地上から1.2m。パワーコンディショナー(パワコン)の隣に設置する必要があります。

停電時の運転モード変更

停電時に蓄電池から電力供給するためには、分電盤下にある蓄電池の設定ボックスまで行って手動でスイッチを操作します。

3万円のオプションで、自動切換えも選択可。その場合は、手動操作不要で、瞬時に蓄電池からの供給に切り替わります。

わが家は手動を選択。停電はそうそう起きないだろうと考えたのが理由の一つ。自動切換えだと気付かないうちに蓄電池モードで使い続けてしまう場合があると聞いたのが理由の二つ目。

停電の時に分電盤まで行ってスイッチ操作をするだけなので、そんな手間ではないと考えています。

太陽光パネル

太陽光パネルは1枚250kW。旧式の210kWから発電能力があがっています。

わが家は13.75kWなので、太陽光パネルが55枚のっています。(13,750kW÷250kW=55枚)

太陽光パネルは、世界市場では中国メーカーの独壇場。国内では、パナソニック・京セラ・シャープあたりがシェアを持っています。

一条工務店の太陽光パネルは、パナソニック製のセル(パネル表面の黒い太陽電池)を自社工場で組み立てた「自社製品」です。

太陽光発電・蓄電池の価格

オプション代

太陽光パネルの出力13.75kWで、太陽光・蓄電池パッケージの価格は2,575,320円(税込み)でした。

屋根の面積が確保できたので最大限のせています。もちろん10kW、8kWなどほかのパネル容量も選べます。1kWあたりの価格は、パネル容量が大きい方が割安になります。

補助金申請を忘れずに

多くの自治体で蓄電池の設置に対して補助金を出しています。私も地元市町村から補助金30万円交付されました。大きいですね。

都道府県からと市町村からと、ダブルでもらえる場合も多いので要確認です。自治体のHPで確認しましょう。

各自治体では以前は太陽光発電を補助対象にしていました。が最近は、「蓄電池と太陽光発電をあわせて導入する場合に、蓄電池を補助対象にする」という方向にシフトしてきています。

ちなみに現在(令和3年度)現在、蓄電池のみを対象にした国の補助金はありません

収支シミュレーション

FITによる売電収入

太陽光発電(10kW未満)のFIT(固定価格買取制度)の売電単価です。

年度価格(kWh当たり)
202021円
202119円
202217円

発電効率などシミュレーションの条件

わが家を例にとってシミュレーションしてみます。
・出力: 9.9kW (パネル出力13.75kWをパワコンで9.9kWに制限)
・発電効率: 12%(雪国のおおよその平均値)
・FIT買取単価: 19円(2021年度)
・自家消費率: 30%(資源エネルギー庁が想定する数値)

発電効率は「設備利用率」といわれるものです。いわゆる稼働率のことです。天気が悪ければ発電しないですよね。24時間365日発電し続けた場合が100%です。年間でならせば10~20%になります。

発電効率は全国平均で約14%です。実は地域によってばらつきがあるんです。

全国でいちばん高い、つまり太陽光発電を設置すると発電量がいちばん大きくなる地域はどこだと思いますか?

山梨県・長野県が16%オーバーでトップ。単純に南方のほうが稼働率が高いわけではないところが面白いですね。元データはここ。2013-2014の少し前のデータですが、傾向を見るのには問題ありません。

太陽光パネルの発電量   

年間の発電量は、9.9kW×24時間×365日×12%≒10,407kWh

kWは発電能力を、「h」がついてkWhになると電力量を表します

1kWの能力を持つ太陽光パネルの1時間の発電量が1kWhです。なので1年間の発電量は24時間と365日をかければ出ます。

あとは設備利用率(稼働率)をかければOK。上で解説したように全国平均で14%です。

ざっくり年間の発電量を計算するための式を覚えておくと便利です。「◯kW×24時間×365日×14%」となります。

売電収入+買電費用減少分

1~10年目(FIT適用期間)の経済メリットは、

①FITによる売電収入:10,407kWh×0.7(余剰売電の比率)×19円×10年間≒1,384,131円

②自家消費により減少する電力会社からの買電費用:10,407kWh×0.3(自家消費の比率)×29円×10年間≒905,409円

①+②≒2,289,540円

自治体補助金の300,000円を考慮すると、10年で元がとれる計算です。11年目以降は、元手ゼロで発電できるようになります。 

デメリットは固定資産税

太陽光発電・蓄電池セットは、上でみたように経済的なメリットがあります。加えて太陽光パネルを搭載した屋根は、実は通常のスレート屋根よりも頑強なんです。

停電時の非常用電力として使える点も、とっても大きいですよね。

唯一のデメリットは固定資産税がアップすること。屋根と一体型の太陽光発電は固定資産税の対象になるんです。

固定資産税の標準税率は1.4%(市町村により違う税率を適用している場合もあります)。200万円の評価額で毎年約3万円です。ただし設置後3年間は軽減税率が適用されるため約2万円です。

確定申告

確定申告が必要になるのは「売電収入ー必要経費」が20万円以上の場合

必要経費として、太陽光発電セットの購入費を計上できます。計上額は、200万円で導入した場合は導入後17年間は12万円弱になります。<200万円÷17年(法定耐用年数)≒11.7万円>

このほか固定資産税や火災保険料、メンテナンス費用も必要経費として計上できます

FITの買取価格が19円までさがっていることもあわせて考えると、ほとんどの方は確定申告不要になると思われます

蓄電池で自家消費を増やそう

太陽光発電10kW未満の場合は(2020年度以降は10~50kWも)、発電した電力はまず自家消費する必要があります。そのうえで、余った分を売電します

余剰電力買取制度」といい、10年間余剰電力を決まった価格(2021年度は19円)で売電できます。

わたしたちにとっても、できるだけ自家消費したほうがお得です。なぜなら、「FITで売る単価<電力会社からの買う単価」になっているからです。具体的に説明します。

FITで売ることができる電力の単価は年々下がり続けていて、現在19円にしかなりません。一方で、電力会社から買う電力の単価は平均で29円にもなります。

つまり安く売るよりも、自家消費して電力会社から買う電力を少なくするほうがお得ということです。    

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