一条工務店のお風呂づくりのリスクのひとつは、必要のないオプションを採用してしまうこと。
後で解説するように、スマートバスにオプションは不要です。
これが失敗しないコツ(その1)です。
このほか窓やドア、鏡…などなど、いくつかポイントがあります。以下順に解説していきます。
ユニットバスの特徴
具体のポイント解説に入る前に、まず一条工務店のユニットバスの特徴を見てきましょう。
メーカー
一条工務店のお風呂(ユニットバス)は、他の設備とおなじでフィリピン工場で造られる一条工務店オリジナル商品です。
床暖房
もちろん浴室にも床暖房は入ります。(浴槽の下には入りません)
なので冬に寒さに震えながら体を洗う、なんてことがなくなりますよ。脱衣室から浴室まで、続きで「あったか空間」です。
特別運搬費
一条工務店の家のパーツで、何がいちばん大きいかわかりますか?実は「浴室ユニット」なんです。
浴室ユニットは通常、大型トラックで搬入して、クレーン車で吊って据え付けます。
が、クレーン車を設置するスペースがなかったり、大型トラックの搬入路が確保できなかったりして、ユニットで搬入できない場合がまれにあります。
この場合は手作業で部材を搬入し家の中で組み立てることになり、特別運搬費(136,000円)がかかります。
敷地の状況によるので、交渉してどうにかなる問題ではありません。「ユニットでの搬入不可」と判断されたら、潔く諦めましょう。
「スマートバス」or「i-スタンダード」
標準で「スマートバス」「i-スタンダード」のいずれかを選べます。スマートバスの方が、格上の商品設定になっています。
アイ・キューブでは、スマートバスはオプション(10万円)だよ
大きな違いは浴槽の材質。アクリル製人造大理石のほうが耐久性があって汚れも付きにくいので、悩まずにサクッとスマートバスを採用して問題ありません。
浴室の材質 | 耐久性 | 防汚性 | |
---|---|---|---|
スマートバス | アクリル製人造大理石 | ◯ | ◯ |
i-スタンダード | プラスチック(FRP浴槽) |
ということで、以下スマートバスについて解説していきます。
スマートバスの標準仕様
浴室の色:3種類
水垢・湯垢 | カビ・髪の毛 | |
---|---|---|
ホワイト | ◯(目立たない) | ✕(目立つ) |
ナチュラル | △ | △ |
ブラウン | ✕(目立つ) | ◯(目立たない) |
色は3種類から好みで選べばOK。ただウッディ・ブラウンは水垢・湯垢が目立つし、ウッディ・ホワイトはカビ・髪の毛が目立つことを念頭に置きましょう。
浴室の広さ:1坪or1.25坪
子供と一緒に入浴するときは広いほうがいいですよね。一方で狭いほうが建築費が安くなって、掃除もラクになります。
子供と一緒にお風呂に入るのってあと何年ですかね?せいぜいあと数年間で、その後の入浴は一人ずつという方が多いんじゃないでしょうか。
と考えたときに、長い目で見れば建築費が安くて掃除がラクな1坪のほうがメリット大きいですね。広い浴室に強い思い入れがあるのでなければ、1坪の浴室がおすすめです。
浴槽ふた:2種類
浴槽のふたは真空断熱材とウレタン製のどちらかを選べます。おすすめは、扱いやすいウレタン製。
材質 | 断熱性(保温性) | 扱いやすさ |
---|---|---|
真空断熱材(3.2㎏/取手なし) | ◯ | |
ウレタン(2.7㎏/取手あり) | ◯ |
わたしが宿泊体験した施設のお風呂が真空断熱材タイプだったんです。正直、嫁や子供が毎日このふたを毎日開け閉めするのはキツいな、と感じました。
まず重い。そして取手がないので持ちにくいんです。
断熱性が劣るといっても、浴室自体が床暖房が入っていてあったかいので、ウレタン製でも十分保温力があります。
ただ「浴槽のお湯が冷めにくい」ことを重視する方もいるかもしれません。たとえば夜勤から朝帰ってきてすぐ浴槽に浸かりたい、とか。
こういったライフスタイルの方は、真空断熱材がうってつけでしょうね。前の晩に家族が入っていれば、沸かし直しせずにすぐ入れると思いますよ。
もしそういった特段の事情がないのであれば、扱いやすいウレタン製を選びましょう。
浴室窓:選択肢は3つ
浴室の窓については、「ブラインド内蔵ペアガラス」「トリプル樹脂サッシ」そして「つけない」の3択になります。
わが家の場合、わたし個人としては「つけない」を強くプッシュしていました。理由は断熱性を下げたくなかったから。
ご存じかと思いますが、窓の断熱性は壁の数分の1しかないんです。
窓があると採光面でのメリットはありますが、わが家では風呂に入る時間帯は99.9%が夜、つまり自然光が入る時間帯には入りません。
が、「自然光のもとでお風呂掃除がしたい」という嫁の強いこだわりがあったので、わが家では最終的に「トリプル樹脂サッシ」を採用しました。
「働かざるもの食うべからず」「風呂掃除せざるもの言うべからず」ですw
話を戻します。
窓をつける・つけないは、それぞれのご家庭で判断いただくことにして、問題は窓の種類です。
結論から言うと「トリプル樹脂サッシ」をおすすめします。理由は断熱性。
ブラインド内蔵になると「ペアガラス」になるので、「トリプル樹脂サッシ」と比べて断熱性がぐっと落ちます。
トリプル樹脂サッシを選んでおけば、冬の寒い時期に冷気が気になる、なんていう後悔を避けられます。
「ブラインドがないとプライバシーが気になるんだけど」という方。
トリプル樹脂サッシの「かすみ」でも、窓際に立つことがなければ、それほど気にすることはないと考えています。
ただ「ブラインド内蔵ペアガラス」にすれば、視線シャットアウト効果は抜群なのは確か。
敷地の状況によって「どうしてもプライバシーが気になる」という方は、「ブラインド内蔵ペアガラス」の選択肢もありだと思います。
さて。トリプル樹脂サッシを選択した場合、窓の大きさは「JK2030 +950」「JK2042 +681」「JM4542 +681」の3つから選ぶことになります。
床から窓サッシ下端までの寸法「+◯◯」は、通常自由に設定できます。が、浴室はユニットになるので、自由に設定できず標記の寸法になります。
断熱性とプライバシーを考えると、一番小さい「JK2030 +950」をおすすめします。浴室程度の広さであれば、採光も2030の大きさで必要十分。
(この3種類の窓のイメージをつかみたい方は、こちらの記事をご参照ください。「窓の種類・サイズ一覧」の章にカタログを掲載しています。)
ワイドミラー
浴槽と洗い場を横断する形で正面にワイドミラーが設置されることになります。
皆さん、このワイドミラーどうですか?
確かに鏡が大きいと空間が広く見えるかもですが、正直ビミョウです。
体を洗うとき最低限の鏡は必要ですが、浴槽正面にまで鏡はいらないとわたしは思ってます。
理由は、鏡は水垢・湯垢が付きやすいのでワイドにすると掃除する面積が増えるから。加えて、浴槽の正面に大きな鏡があると落ち着かないということもあります。
ワイドミラーではなく、その半分サイズの鏡を洗い場だけに貼りたい場合は?
下の写真のように、浴槽の正面に窓がくる場合は、ワイドミラーではなくなります。
わたしのように「ワイドじゃないほうがいい」という方は浴槽の向きを検討してみるといいかもしれません。
ちなみにわが家は残念ながらこの条件に合致せず、ワイドミラー採用となりました。
もちろん、「ワイドミラーの方が空間に広く感じていい」という方はワイドミラーを採用してください。
「最近イケてない自分の体を毎日見て、ダイエットのインセンティブにしたい」なんていう場合もワイドミラーのメリットあるかもですねw
浴室のオプション
主なオプションを解説していきます。
ドア(親子折れ戸)
一条工務店の浴室のドアは標準で「開き戸」になります。
浴室側に押し込むように開けますが、万が一洗い場で事故…のような場合も簡単に外側から外れるようになっているので心配いりません。
開き戸のデメリットは、開閉にスペースが必要ということですね。
たとえば体の大きいパパが洗い場にいるときに、子供が勢いよくドアを開けるとパパの背中に「ガン!」
そんな時には、省スペースの「親子折れ戸」が便利。パパの背中にぶつかることもありません。
ただ親子折れ戸を採用できるのは1.25坪のみ。オプション代も46,000円とけっこうなお値段ですね。
折れ戸の構造上くぼみが多くなり掃除がメンドウになるというデメリットもでてきます。採用を検討する場合は、このあたりもよく考えましょう。
浴室暖房換気乾燥機
結論から言うと不要です。
断熱性が高くて床暖房も入っているので、追加の暖房がなくても浴室は暖かいですよ。
高気密で特に冬場は乾燥するので乾燥機機能はいりません。換気扇を回しておくだけでも十分に浴室は乾きます。
浴室側水栓
わたしの旧宅にも浴槽に冷水・温水を注ぐ専用水栓が付いていましたが、実際はほとんど使っていませんでした。
スマートバスでも、給水はボタンひとつでできるので、浴室側の水栓は不要です。
まとめ
✔「i-スタンダード」ではなく「スマートバス」を採用しよう。
✔浴室の広さは、掃除がラクで費用も安くなる1坪がおすすめ。
✔浴槽ふたは、取扱いが簡単なウレタンがおすすめ。
✔窓はトリプル樹脂サッシがおすすめ。「窓なし」も検討の価値あり。
✔ワイドミラーは掃除も大変。間取りによって採用しないことも可。
✔スマートバスにオプションは不要。