階段は家の「へそ」、つまり中心に例えられます。
階段のパターンや位置が決まらないと間取りが描けませんし、変更になると間取りもガラッと変わってきます。
そこで今回は、「オープンステアとボックス階段どっちがいいの?」と悩んでる方向けに両者を比較をします。
オープンステアとボックス階段の比較
基本
タイプは、
・ボックス階段(ステア)
・オープン階段(ステア)
の2種類。
「オープンステア」は一条工務店の商品名で、「スケルトン階段」の方が一般的かもしれませんね。
手すりのサイドパネルは、
・透明
・かすみ
の2種類から選べます。
色のバリエーションは、
・ライト
・レッド
・ビター
の3種類。
間取りに必要なマス・階段幅など
段数 | 必要な広さ (マス) | 階段幅 (mm) | 踏面 (mm) | 蹴上 (mm) | |
---|---|---|---|---|---|
❶ボックス階段 | 15 | 4.5 | 750 | 220 | 188 |
❷オープンステア | 14 | 3 | 969 | 205 | 202 |
❸オープンステア | 15 | 3.5 | 750 | 220 | 188 |
「踏面」と「蹴上」はここ👇です。上り下りしやすいのは、踏面が長くて、蹴上が低い階段。
❶と❷を比較してみましょう。
❷オープンステア14段は、❶ボックス階段と比較して踏面が1.5cm短くなり、蹴上が1.4cm高くなります。
ちょっとの違いのようですが、階段の踏面・蹴上って1cm違うと「上り下りのしやすさ」は結構違います。
オープンステアの15段は住宅展示場では採用されていますが、一般住宅ではよっぽど広くて間取りに余裕がある家に限定されます。
というのも、階段幅969mmは1マスに収まらないから。
30~40坪の家にこの階段を入れると、まわりの間取りがそうとう窮屈になります。
メリットとデメリット
オプション代は、オープンステアが20,000円かかります。別の工務店では100,000円オーバーでしたので、このオプション代は格安だと思います。
開放感はオープンステアが上。オープンステアは、吹き抜けとの相性がいいんです。
「吹き抜け」+「オープンステアは」でより大きな吹き抜け空間ができるので、開放感がアップします。
オープンステア | ボックス階段 | |
---|---|---|
オプション代 | 20,000円 | - |
開放感 | ◯ | |
スタイリッシュ | ◯ | |
音・臭いが伝わらない | ◯ | |
勾配が緩やか | ◯ | |
階段の形状 | 直線 | 直線・L字・折り返し |
階段下スペース | オープン | 収納・トイレ |
音・臭いは、ボックス階段の方が2階に伝わりにくくなります。とはいえ、ボックス階段だと全く伝わらないという訳ではないですよ。
吹き抜けがあれば、そこから音や臭いは伝わりますので。
音や臭いの伝わりをどうしてもなくしたければ、「吹き抜けなし」&「ボックス階段」という選択になります。
勾配は、わたしがもっとも重視したポイント。高齢者や小さな子供は、勾配の緩やかなボックス階段の方が安心です。
いまは大丈夫でも「自分たちが高齢になったとき、果たしてオープンステアで大丈夫?」を慎重に検討しました。
わたしは14段のオープンステアを、i-smartの宿泊体験で初めて経験。手すりがあるとはいえ、2階から下をのぞき込むと結構高さと勾配があるな…と。
同じオープンステアでも15段タイプではぜんぜん急だと感じないので、踏面と蹴上の寸法の違いによるものです。
勾配が急と感じたのは、それまでわたしが住んでいた家がボックス階段だった、ということもあると思います。
だから「住めば慣れるよ」といわれれば、その通りかもですね。実際のところ、多くの人が14段のオープンステアを選択して何の問題もなく生活しているのですから。
小さな子供用にはベビーゲートだって設置できますし、自分が高齢になったらぶっちゃけ1階だけで生活するという選択肢もありです。
ですが、目指すのは70~80代でも足腰が丈夫で、毎日階段を上り下りできる「じいちゃん」と「ばあちゃん」w
最初は、スタイリッシュで開放感があるオープンステアへの憧れがありました。
が、最終的には勾配が緩やかで上り下りがしやすく、「踊り場」も設置できるボックス階段を選びました。
階段の形状は、オープンステアは直線しか選べませんが、ボックス階段は直線・L字・「折り返し」が選べます。折り返しタイプは「踊り場」が設置できます。
直線だと万が一足を踏み外した場合、そのまま1階まで落ちる可能性があります。
踊り場があると落ちてもそこで止まりますし、一息つけるので高齢者にもやさしい設計です。
階段下の利用方法
階段下収納
ボックス階段下の代表的な用途は「収納」。階段下収納には床暖房は入らないので、予備のパントリーとして利用することも可能です。
床下にも、収納が付きます。
ただし天井が下がりますし、縦長で奥行きのあるスペースになるので奥の荷物の出し入れが大変。けっして使い勝手のいい収納ではありません。
だから、奥には頻繁に出し入れしないものを収納しましょう。
クロスは標準では貼られません。
お金をかけるところとかけないところのメリハリが重要です。わが家では、来客の視界に入る場所でもないのでクロスなし。
天井下がりの部分を階段状にするか凸凹のない斜め天井にするか、垂れ壁をつくるかつくらないか…など現場の大工の裁量に任せられてる部分があります。
で、わが家のように、突然、想定外の垂れ壁が出現することも。この壁は図面に出てませんし、説明もなかったなぁ…。
事前に設計士さんに、「こんなふうにならないですよね?」と確認しましょう。
階段下トイレ
ボックス階段の下をトイレにするケースも、けっこうあります。
収納がほかで足りてる場合は、トイレを階段下に持ってくることで施工面積が減らせます。イコール、出費が減ります。
ただし天井下がりが出てくる場合が多いですし、場合によってはトイレスペースを確保するため階段のマスを増やす必要があることも。
打ち合わせで、しっかり確認しましょう。
オープンスペース
オープンステアの階段下はオープンスペース。ピアノやデスクを置くのにおすすめ。
このほか観葉植物やクリスマスツリー、おしゃれな収納ボックスを置くのもありですね。創意工夫でいろいろな用途に利用できるスペースです。
まとめ
✔ 階段のタイプは「オープンステア」と「ボックス階段」。オープンステアは15段もあるが、現実的な選択肢は14段。
✔ オープンステアは開放感◯。ただし、ボックス階段より勾配が出るので、しっかり検討を。
✔ ボックス階段にすると、階段下収納がつくれる。ただし、天井下がりや垂れ壁など注意点も。