一条工務店の高性能換気システム「ロスガード90」。ロスガードには、各部屋の天井に給気口SA(Supply Air)が、2階廊下の天井には排気口RA(Return Air)が設置されます。
給気口SAと排気口RAの位置をなんとなく決めていませんか?位置を最適化して、きれいな空気を効率的に部屋中に循環させる方法を解説します。
ロスガードの性能・位置
ロスガードとは一条工務店の換気システムで、全タイプ標準で採用可。高性能の熱交換機能が付いています。
フィルターも高性能で、花粉の99%・カビの胞子の99%・黄砂の99%・PM2.5の95%を除去する優れもの。
ロスガード本体の設置場所は2階で、1マス四方のスペースが必要。
SAは「居室」に設置されます。廊下、浴室・トイレ、玄関などは居室に該当しないので設置されません。RAは、2階廊下に設置されます。
ロスガードの新型
第3世代となる新型の現行ロスガードはPanasonic製です。強力な加湿機能「うるケア」をPanasonicと共同開発しています。
メーカー | 機能 | |
---|---|---|
第1世代 | ダイキン | ー |
第2世代 | MAX | さらぽか |
第3世代 | Panasonic | うるケア |
ただしうるケアとさらぼかは併用できません。
なのでどちらか迷っているなら、冬が長い北海道や東北の方はうるケアを、それ以外の地域の方はさらぽかを選ぶといいでしょう。
ロスガードはいらない?
ロスガードは必要です。なぜなら、高気密・高断熱の一条ハウスのメリットを最大限に活かすための鍵がロスガードだからです。
たとえば外気温35℃の猛暑日を想像してください。エアコンで室温を25℃にした場合、ロスガードは外気を26℃まで冷やして取り込んでくれるんです。
高気密・高断熱の一条ハウスだからこそ、これが活きてきます。
というのは、気密性が低い家・断熱性が低い家は、ロスガードが外気をせっかく26℃まで冷やして取り込んでも、室温を25℃に維持するのには相当なエネルギー消費が必要だからです。
音がうるさいという声もありますが、もし仮にそうだとしても、ロスガードにはそれをはるかに上回るメリットがあります。
SA設置場所
空気の流れ(給気口SA⇒排気口RA)
ロスガードの空気の流れは、この図のようになっています。
❶ まず、新鮮な外気が屋内に取り込まれ、ロスガード90でゴミ・ほこりや有害物質が除去されます。
❷ ダクトを通って、各部屋の天井にある給気口SA(Supply Air)から、温度と湿度が調整されたきれいな空気が給気されます。
❸ 各部屋の汚れた空気が排気口RA(Return Air)に向かって集まり、RAに吸い込まれます。
❹ ダクトを通って、汚れた空気は屋外に排出されます。
屋内の気圧は一定なので、排気と同じ量だけ給気されます。各部屋の天井のSAから給気されたきれいな空気は、給気された瞬間から排気口RAに向かって流れます。
変更前と変更後
わが家の例。まず変更前です。
入口付近にSAが設置されています。一条工務店のデフォルト設定は、入口近くになっているようです。
SAがこの位置だと、給気されたきれいな空気がすぐに室外に流れてしまうと思いませんか?部屋の奥の方の空気がよどんでしまいそう。
せっかく高性能フィルターで有害物質を除去したきれいな空気が給気されるのに、すぐ室外に逃げてしまうのは、もったいないですよね。
次に変更後。
これでSAから給気されたきれいな空気が、すぐに室外に逃げることがなくなります。
できれば、部屋の奥の隅(青丸の場所)に設置できたほうが効率的なのですが、ちょうどベッドと机の頭上にきてしまうので、冷風対策として除外します。
ベッド上と机上を除いたエリアでもっとも効率的に空気を還流させられる赤丸の場所に移動しました。
SA・RA設置場所の注意点
SAはここを避けよう
ソファーやベッドや机など、人が常にいるところの上部にSAを設置するのは避けましょう。
というのは、冬場の冷気が気になる場合があるからです。
ロスガードは90%の熱交換方式なので、室外の空気を、ほぼ室温まで温めて屋内に取り込みますが、1~2℃の違いが寒く感じます。
RAの設置場所
RAは音がしますが、室内に設置されるSAと違って2階廊下に設置されるので、音には神経質にならなくていいでしょう。
消防法の規定で、階段を登り切ったあたりに火災警報器を設置する必要があります。RAは火災警報器から1m以上話す必要があるので、設置場所が限られてきます。注意が必要です。
まとめ
間取りの検討の陰にかくれて、SA・RAの場所の検討は見落とされがちです。
が、SNSを見てもみなさん設置場所にこだわっていますし、わたしも1か所づつ確認して、SAの設置場所をすべて変更しています。
きれいな空気を効率よく部屋の奥まで還流させるため、設置場所を確認してみましょう。